2006年03月23日

(20)ガルバナの花



はぐれトマトを倒し、意気揚々と街に引き上げようとしたヴァンは、砂漠の崖の傍らにひっそりと咲いた赤い花の存在に気付いた。

「あれ──ガルバナじゃないか」

感慨深げに、その花を見つめるヴァン。

「こんなところで咲くなんて珍しいな」

しばらく物思いにふけっていたが、花を手にして立ち上がるヴァン。
用事も済んだし、帰ろう。
ヴァンは元来た道を戻り始めた。

 



城門の前に戻ったヴァンだが、そこで立ち往生している群集に出くわす。
どうやら門が正式に閉ざされて、街に入ろうとした人が締め出しをくらったらしい。

不満そうに門を睨む群集の中にカイツを見つけて、ヴァンは近寄った。

「心配になってパンネロ姉ちゃんと外に出てきてみたら、いきなり兵隊が門を閉めるって言い出して、姉ちゃんともはぐれちゃって・・・」

泣きべそをかきながら言葉を搾り出すカイツをなぐさめながら、ヴァンは不服そうに兵隊を見た。
下がれ、と迫る人を押しのける兵隊。
その横を、毛並みの良い黒いチョコボが優雅にすり抜ける。
ヴァンは身体をどかしながら、兵隊が門を開けるのを見た。

当然のように門の中に入ろうとする群集を、兵隊が押し戻す。
チョコボだけを中にいれようというのだ。

「ちょっと待てよ! オレたちは入れないのに、チョコボはいいのかよ!」

我慢できずに、ヴァンは飛び出す。



「何がおかしい? このチョコボは血統書付きの式典用だ」
「こいつには何万ギルもかかっている。お前ら100人あわせたより、よっぽど価値があるってもんだ」
「おら、近づくんじゃねぇよ! チョコボにお前ら貧乏くせえ匂いが移っちまうだろうが!」

よってたかって馬鹿にした態度をとる兵隊に、ヴァンがキレた。

「ふざけんな!」

「どけ、このガキ!」兵隊がヴァンを突き飛ばす。「いいぞ、入れ」

唇を噛み締めるヴァン。
その横を黒チョコボが悠然と降りすぎ門の中に入っていく。
はっと気付くと、さっき摘んだガルバナの花が、チョコボに踏み潰されていた。
突き飛ばされた時に落としてしまったらしい。

ヴァンの中で何かがはじけた。

「・・・あの野郎!」

ヴァンは兵隊へとつかつかと歩み寄った。




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この記事へのコメント
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Posted by at 2006年03月23日 19:15
ъ(`―゜) -★
Posted by 書いてるひと at 2006年03月23日 23:55
 

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